代表の連載が専門誌OEで始まりました
ワークプレイスコンサルティングの現場から
-第1回-
DOUMA代表
小澤清彦
はじめに
オフィスのプランニングやデザインが多少なりとも業績に影響があるということは、本誌の読者にとっては周知のことだと思う。業務環境が社員の満足度や生産性に影響するという発想もしかりである。情報、コラボレーション、イノベーションなどが決定的な意味を持つナレッジワーカーの時代にあっては、オフィスにかけるコストを節約しても社員相互の交流を阻害する結果をもたらすならば業績への悪影響から会社の危機を招くことにもなりかねない。ほとんどの会社で、ファシリティコストは給料に次ぐ大きな支出であることを考慮するなら、経営のトップから始まって、ファシリティ、不動産、総務、人事など全てのマネージャーは現実のワークプレイスがどのような生き物であるかを理解すべきである。こうした主張は既にある程度の市民権を得ている。では、何故これほどまで市場環境や働き方が変化している中で、オフィスの変化は緩慢なのだろうか。